旅しながら働く「ワーケーション」。トラベルワークを推進する弊社(株式会社アステル)では、積極的に社員が旅行に行ったり、コワーキングを利用したりしています。
▼ワーケーションの様子はこちら
せっかくアステルで働いているのだから、私だって沖縄とか韓国とかイタリアとかスペインに行ったり豪華客船でPC片手にオーロラ見たり(夢)とかしたいのですが、現在目下2歳と5歳の子育て中。なかなか家をあけることはできません。
ところで私の出身は北海道。子どもも北海道のおじいちゃんとおばあちゃんの家が大好きです。そこで社長に「長めに帰省しつつ実家で仕事したいのですが…」と打診してみたところ「せっかくアステルにいるんだからやらなきゃ!」と快いお返事が。タイミングを待ち続け、やっと飛行機での移動もできるようになってきたので、早速実家に帰って仕事してきました!
実家に戻って行うなんちゃってトラベルワークなら、家族優先のパパママにもハードルが低いはず。今回は実際やってみて気付いたメリット・デメリット、1日のスケジュールなんかもお伝えします。
今回の実家ワーケーションの説明
まず、どのような環境で今回は実家ワーケーションを行ったのか、簡単な背景をご紹介します。
期間は年末から1月の中旬まで。12月末に北海道へ家族みんなで帰省してまずはゆっくり年末年始を過ごし、お正月が過ぎたら夫のみ埼玉の家に戻ってもらいました。
弊社の仕事初めである4日から、私も勤務開始。業務中、子どもは「父・母・弟(たまに隣に住む祖父と祖母)」の3人に代わる代わる見てもらう作戦です。
私の父は1月の中旬まで長めに冬休みがあり、母の勤務はカレンダー通りではないため平日も休みが多くあります。さらに弟は大学院生なのでがっつりお休み!(現在修論鋭意執筆中)
ただでさえなかなか会えないので、この際思いっきり甘えまくる所存です。子どもたちも雪遊びやいつも優しいおじいちゃんおばあちゃんを楽しみに、いざ北海道へ帰ります。
実際にワーケーションしてみた!1日のスケジュール
楽しい大晦日〜お正月もあっという間に終わり、2022年の仕事が始まりました。早速4日から子どもたちをお願いし、本格的な実家ワーケーション状態へ。
実際どんなふうに過ごしていたのか、1日のスケジュールを正直にご紹介します。
8:00 起床
いつもは子どもの保育園があるので6時には起床するのですが、実家なのでのんびり起きます。子どもは7時くらいから起きているようなのですが、早起きのおじいちゃんとおばあちゃんと楽しく遊んでいる様子。
早速実家のありがたみを実感しまくる時間です。
そして起きてからはみんなで朝ご飯。
子どもの着替えや準備、家族で今日のスケジュールの確認(MTGなどがある場合はこの時間に共有しておいて作戦会議)をしていると、あっという間に仕事を始める時間です。
9:30〜12:00 作業
弊社では現在、明確な始業時間はありません。いつもは9時前後からなんとなくPCを開くので、少し遅れつつこちらでも作業開始。
まずは今日やることをざっとリストアップ。チャットを返したりなんだりしている横で、子どもたちは昨晩から外で作っていたおいた氷を出して遊んでいます。
13:30 子どものお昼寝(チャンスタイム)
父母が作ってくれたお昼ご飯をみんなで食べて、13時から子ども2人の寝かしつけ。遊びもお風呂も私以外の家族がやってくれるので、寝かしつけが母親としての唯一の仕事に。
子どもが寝たあとは静かに仕事のできる数少ない時間!ボーナスステージのようなイメージでタスクを消化します。
(たまに誘惑に負けて子どもと一緒に寝てました)
子どもの相手をしてくれる人がいるとは言え、別室で作業をしているわけではないのでちょっとした喧嘩が気になってしまったり、子どもが話しかけにきたりして作業が止まることも頻繁にあります
そのため、集中力のいる作業(校正やチェック)はこの時間か、できなければ深夜にまとめてやっていました。
15:00 子ども起床(バタバタの時間)
15時頃には子どもがお昼寝から起きてきます。
たいてい機嫌が良くないので、私にべったりになったり家族みんなが途方に暮れるようなわがままをいいだしたりと、このあたりからほとんど仕事にならなくなります。
ある日、寝起きで機嫌が悪すぎた娘の調子をリセットするために夕方の散歩にスマホも何も持たずに行ったら、16時から予定してた会社の定例に遅れました(その説は大変申し訳ございませんでした)。
この教訓からMTGがあるときは厳戒態勢に変更。
30分前から私の作業場所を1Fのリビングから2Fの父の書斎に変え、完全に集中して出席できるように整えました。
おかげで別日にあった他社とのMTGは無事出席できました。
17:30 作業(一時)終了
15時からはほぼ仕事にならなかったような気もするのですが、17時30分くらいで一旦仕事を切り上げます。この時間を過ぎると楽しく遊んでいた子どもたちも「いつまで仕事してんの?」みたいな雰囲気を出してきます。
みんなで夕食を食べたあとは、寝る準備。
ちなみに帰省中は父母が子どもをお風呂に入れてくれました。むしろ子どもの方から「おじいちゃんと入りたい!」と指名が。これだけで1日の疲れの3割がなくなったような心持ちです。
21:00 子ども就寝 作業再開
20時頃から寝かしつけをし(主に2歳の息子にはおしりたんてい、5歳の娘にはポケモン図鑑を読み聞かせします)無事寝てくれたら夜の部開始。
子どもが寝てしまうと一気に家が静かになるので、ゆっくり自分のペースで仕事します。
普段子どもたちが保育園に行っていると日中まるごと自分の仕事に打ち込めるのですが……。実家の場合は両親もリビングから引き上げるこの時間が一番集中できました。
お昼寝だといつ起きてくるかがわからないので、誰にも邪魔されず作業できる時間は貴重です。
仕事が終わっている日は家族でお酒を飲みながらお話したり、大学生の弟と映画を見たり、こちらも実家ならではの優雅な自由時間を過ごしました。
0:00 就寝
仕事が終わればゆっくり一人であつあつのお風呂に入って(最高!!!)子どもたちの寝る布団に潜って就寝。
おつかれさまでした!
やってみてわかった!実家ワーケーションのメリット
その日の子どものご機嫌や父母の都合、MTGの有無などで変動はありますが、だいたいこのようなスケジュールで1週間ほど実家ワーケーションをしてみました。次は、やってみてわかった実家ワーケーションのメリットをご紹介します。
家族みんなで楽しめる
なんといっても一番のメリットは家族みんなで帰省を思いっきり楽しめることです。
北海道〜埼玉と実家が遠い私にとって、長期間の帰省はほぼ夢のようなもの。
子どもも北海道ライフを楽しめて、親である私もゆっくりできて、両親もたっぷり孫と遊べて、とそれぞれが幸せな1週間を過ごせました。
特に小さい子どもがいると旅行は移動だけでいっぱいいっぱい。せっかくの観光も家族で楽しみたいし、働くお母さんにとってはワーケーション自体ハードルが高いのかな、と感じることも。
しかし実家ワーケーションであれば、両親の体制さえなんとかなれば気軽に行えます。GWやお盆など、両親の休みと噛み合えばまたちょくちょくやりたいと思いました。
ラッシュをずらして移動できる
年末年始、GW、お盆などの大型連休は新幹線や飛行機も混み合います。
座席自体も高くなりますし、乗客が多いと子どもがぐずるのもいつもより気になってしまいますよね。
実家ワーケーションをうまく使えばラッシュを避けられるので、比較的移動もストレスフリーにできました。
行きの年末は飛行機代も高く空港の人混みもすごかったのですが、帰りは1月末で人の動きも落ち着いていたので、のんびりできましたよ。
仕事以外の部分がストレスフリー
正直作業が捗るかと言えばむずかしいのですが(このあたりはデメリットの部分で語らせてください)いつもよりゆとりをもった気持ちで過ごせたのは「仕事以外の作業(主に家事)」が全く発生しなかったから!
普段は子どもの支度や保育園の送り迎え、掃除や洗濯や冷蔵庫の中身チェックや買い出しなど名前のあるものから名前のない家事までさまざまなタスクがあり、その合間になんとか時間を作って仕事をするというイメージ。世の中の大半のパパママがそうなのではないでしょうか。
実家では自動的にご飯が出てきて、食器もいつのまにか洗われていて、娘の髪はきちんと結ばれていて、息子はおばあちゃんと楽しそうにお風呂に入り……と普段やっていることを完全にお任せできたので、完全にのんびり実家生活を謳歌することができました。起きてご飯食べて作業してご飯食べて寝て…とまるで独身時代に戻ったような1日です。
正直大変だった…。実家ワーケーションの デメリット
とはいえ、楽しいことばかりではありません。
大変だったことやここを改善したらもっとよかった!と終わってから思い返すこともちらほら。
最後に、私の思う実家ワーケーションのデメリットをご紹介します。
圧倒的に集中できない!
今回私は主にリビングのテーブルで作業していました。
子どもたちの様子が見たいのと、家族団らんからひとり離れるのが寂しすぎたのでこの場所を選んだのですが、これが集中力の欠如に繋がります。
両親が見ているとは言え子どもが何かやらかしているのではないかと気になってしまいますし、机の周りをちょこちょこと動き回っていることも。
私の作業は比較的月初に余裕があるので、ワーケーションの日程もそれに合うように組んだのですが、大正解でした。バタバタしがちの月末だったら確実にパンクしていたでしょう。
子どものお世話をする側だった私の母にも感想を聞いてみると「いま集中しているかがどうかがわかりにくくて、つい話しかけちゃう」と言っていました。
常に誰かと誰かの会話が飛び交っているような、割と騒がしめの我が家。楽しく話しているときも「今、本当は仕事したいのかな」と逆に気を使わせてしまい、私も私で集中したいときにそれができず、悪循環に陥っていました。
この意見をもらってから、がっつり作業に打ち込みたいときは「30分集中します!」と宣言するように。
▼会社でも同じですよね…
お互いがいまどのような状況なのかわかりやすくしておくことで、それぞれ気を使いすぎることのない、過ごしやすい空間が作れそうです。
仕事と私生活の境がなくなる
もともと仕事と私生活の境目がなくなりがちのリモートワークですが、特に実家ともなるとそれが顕著に見られました。
子どもともしっかり向き合いたい!一緒に昼寝しちゃいたい!両親とも過ごしたい!を満喫しているとあっという間に1日が終わり、深夜になっても仕事が残っているという悲しい事態に。集中すれば夕方には終わっていたのに……と後悔しながら1人でリビングに残る夜もありました。
家族みんなでお昼ご飯を食べに行っても(誰々にチャットを返して、何時までにあの作業を終わらせて……)とつい上の空になってしまうのも、もったいないなと感じました。
せっかくの帰省ですから、実家で過ごす時間も大切にしたいもの。だからこそ「仕事の時間」を分ける一工夫が重要だと痛感しました。
「一時保育が利用できるかあらかじめ調べておく」「1日に2、3時間だけでもコワーキングやカフェで働くようにする」「そもそも仕事部屋を完全に分ける」などすれば、仕事も遊びもめいいっぱい取り組めそうですよ。
次の年越しも実家で過ごしたい!
子育て中でもトラベルワークしたい!と勢いでやってみた実家ワーケーション。実家という環境に甘えまくることで、私も子どももおじいちゃんおばあちゃんもみんなが心ゆくまで年末年始を楽しむことができました。
なかなか集中できなかったり、仕事がずるずる長引いてしまったりと大変だったこともありましたが、家族で工夫しあうことでどんどんアップデートしていけそうです。いまはわがまま盛りの子どもたちですが、もっと大きくなれば子守りの部分がかなり楽になるのでは?という淡い期待も。
特に娘は北海道大好きで「ほんとの家はおばあちゃんの家」と宣言しているくらいなので、いつかは彼女が満足するくらいの長期的なステイもいいかもしれません。
働く場所の制限がどんどんなくなっている昨今。なかなか帰れない実家でのんびりワーケーションするというのも、ひとつの選択肢なのではないでしょうか。
子どもの年齢や受け入れ体制などの環境次第にはなりますが、パパママの新しい働き方としてもっと広まっていけばいいな〜と思いました。