InstagramとFacebookを運営するMeta(メタ)が、テキストベースのSNS「Threads(スレッズ)」をリリースしました。開始からわずか7時間で利用者が1000万人を超え、かなり話題になりましたよね。
そんなスレッズですが、早くも「消えるのでは?」という噂が流れています。2021年にブームになってあっという間に消えてしまった「Clubhouse(クラブハウス)」のようになっていくのでしょうか…
そこで今回は、ほかのSNSアプリとの比較しながら、スレッズの今後を予想していきます。
リリースから約1か月。スレッズの現状は?
2023年7月6日、InstagramやFacebookを運営するMeta(メタ)が新しいSNS「スレッズ」をリリースしました。公開からわずか5日で登録者が1億人を突破し、X(元Twitter)に代わるSNSとして注目を集めています。
Instagramのアカウントを使って登録するシステムなので、設定の煩わしさがないのがメリット。写真やショート動画に特化しているInstagramとは異なり、最大500文字の文章、リンク、写真、動画の投稿ができます。ところが、キーワード検索ができず、トレンドも表示されないためリアルタイムでの情報収集には使えません。
まだまだ改善点が多くあり、日別利用者数は早くも1300万人まで減少。平均利用時間もピーク時の19分から4分までに落ち込んでしまいました(2023年7月末現在)。突如として現れた「スレッズ」はこのままブームで終わってしまうのでしょうか。
あのSNSアプリは今どうなってる?
近年X(Twitter)やFacebook、Instagramに対抗して、いろいろなSNSアプリが登場しています。リリース直後はブームになるものの、まだ大ヒットまではいたっていません。過去に登場したSNS「Mastodon(マストドン)」と「Bluesky(ブルースカイ)」、「Truth Social(トゥルースソーシャル)」は今どうなっているのでしょうか?
Mastodon(マストドン)
「Mastodon(マストドン)」は、2016年にドイツ在住のプログラマーが立ち上げたSNSアプリです。SNSとネット掲示板を組み合わせたようなアプリで、リリース直後は注目を集めました。
「Xと仕様が似ていて意外性があまりない」「ログインしないと投稿が見られず、慎重なユーザーを取り込めない」といった理由からか、ブームは長く続かずに終息。
しかし、2022年10月にイーロン・マスクがXを買収して以降、XからMastodon(マストドン)に移行するユーザーが急増。11月以降は1日5万人以上のペースで登録が増え、数週間で100万人以降の新規ユーザーを獲得しました。
また、今年の6月末にはアクティブユーザーが29万4000人増え、投稿数は3倍にもなっています。
Bluesky(ブルースカイ)
2023年4月、元XのCEOジャック・ドーシー氏が支援している分散型SNS「Bluesky(ブルースカイ)」がリリースされました。
一度に投稿できる内容は、最大300文字までのテキストと最大4枚の画像。投稿にはいいねやコメントができ、Xでいうリツイートや引用リツイートといった機能もあります。ブロックやミュートもOKなので、Xに代わるSNSとして人気が高まりました。
ところが、2023年7月2日にXがツイート数を一時的に制限したことから、Bluesky(ブルースカイ)を使いたい人が増え、サービスが重い状態になってしまいました。
Bluesky(ブルースカイ)の新規登録には以前から招待コードが必要ですが、現在は招待コードがあっても登録できません。問題が解決次第、新規登録の受け付けが再開される予定です。
Truth Social(トゥルースソーシャル)
「Truth Social(トゥルースソーシャル)」は、2022年2月よりリリースされた新しいSNSです。アメリカのドナルド・トランプ前大統領が立ち上げに関わっていることで注目を集めました。
トランプ前大統領は過去に何度かXで炎上しており、アカウントを凍結されています。自由な発言ができるようにとアメリカの保守層やトランプ支持者が活動した結果、Truth Social(トゥルースソーシャル)が誕生。
使い方はXと似ていますが、思想や性別にとらわれず自由に発言できるというのが、Truth Social(トゥルースソーシャル)の最大の強みです。
リリース直後はAppleの米国向け「App Store」の無料アプリチャートで首位を取るほど話題になりました。ただし、さまざまなトラブルがあり、承認までに数十万人のウェイティングリストに回されなかなかアクセスできなかったケースもあります。
日本語対応はしているものの、まだ日本人のユーザーは少ないようです。ほかのSNSアプリと比べて、ユーザーが増加した動きはありませんが、今後Xの動き次第でまた盛り上がりを見せるかもしれません。
スレッズは今後どうなる?
2022年10月にTwitterが買収されて以降、閲覧制限が導入されたり、大規模なアカウント凍結祭りが起きたり、名前がXに変更されたりと、さまざまな変化が起きています。Xが使いにくくなったときのために他のSNSに以降するユーザーが増えてきています。
X改変のおかげか、「Mastodon(マストドン)」と「Bluesky(ブルースカイ)」は再度注目を集めはじめましたが、スレッズは今後どうなっていくのでしょうか?SNSの動向に詳しいアメリカの専門家によると、最有力のSNSになる可能性が高いとのこと。
Xの月間アクティブユーザーは3.3億人です。これに対してスレッズのアクティブユーザーは現段階で1300万人。これだけ見るとかなり少なく感じますが、まだリリースしてから1か月。今後も伸びていく可能性はあります。
スレッズの登録が急激に増えた理由のひとつがInstagramのアカウントで登録できたこと。Instagramの世界のアクティブユーザー数は10億人なので、その1割がスレッズを試してみたわけです。
同じくMeta(メタ)が運営するFacebookのアクティブユーザーは30億人もいるので、まだMeta(メタ)にはFacebookからスレッズにユーザーを流入させる力も温存しています。InstagramとFacebookのユーザー数を武器にスレッズがXを超えるかもしれません。
また、米投資信託評価機関「モーニングスター」のアナリストチームは、スレッズは2024年から27年にかけてメタの売上高を毎年20億~30億ドル上積みしてもおかしくないと表明。広告主の期待も集まっています。
X(Twitter)での声
Xでスレッズユーザーの声を集めてみました。
やはりリリースしたばかりで、まだ使いにくいところが多いようです。しかし、どんどんアップデートされているため、今後に期待している様子が見られます。スレッズの未来は、アップデートにかかっているのかもしれません。今後の動きに注目していきましょう。