logo

CATEGORY

【レポ】日本橋のImmersive Museum(イマーシブミュージアム)で印象派の世界に没入してきた

7月8日~10月29日、日本橋三井ホールにて開催中のImmersive Museum(イマーシブミュージアム)。最新テクノロジーにより印象派の名画の世界に入り込む体験ができる、日本初の没入型ミュージアムです。
今回のテーマは「“印象派” IMPRESSIONISM」。実際に体験してみた様子をご紹介します。

Immersive Museumとは

世界的に著名な芸術作品を映像コンテンツ化し、広大な屋内空間の壁面と床面全てを埋め尽くす没入映像と特別な音響体験を提供する新感覚体験型アートエキシビションです。従来の「鑑賞型」の芸術鑑賞のスタイルから「没入型」のスタイルを提供し、来場者に新たな芸術鑑賞の「視点」を提示します。従来の美術館のようなアナログアートから、最先端のデジタルアートへ新時代のアートコンテンツを展開し、日本のアート体験を拡張する“アート2.0”の象徴が「Immersive Museum」です。
引用:PR TIMES

「Dive in Art」

鑑賞する絵画から、体感する絵画へ。ここはあなたとアートの関係を変える場所。 視界一面に映し出された数々の名画たち。あなたは一瞬で絵画の世界へ入り込む。 そして名画たちが幾年の時を超え動き出す。 それはかつて画家たちが目にし残したかった物語が、動き出すということ。 モネが、ドガが、ルノワールが見た世界を、あなたも体感して見ませんか?
引用:Immersive Museum

高さ6メートル、約700平方メートルの巨大空間に投影される映像では、モネ、ドガ、ルノワールといった印象派画家の名画を鑑賞できます。
空間内は自由に歩き回ったり座ったりすることができ、各々のスタイルで名画の世界に入り込んだようなアート体験が可能。
かつてイノベーションを起こそうと活動していた印象派たちの熱量を肌で感じるような、新しい体験を提供してくれるイベントです。

イベント詳細

会場:日本橋三井ホール(東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1-5階)
会期:2022年7月8日(金)〜2022年10月29日(土)
時間:10:00~21:00(20:20 最終入場)
チケット:大人(18歳以上)2,500円(税込)、中学生・高校生・専門学生・大学生 1,500円(税込)、小学生以下無料
HP:https://immersive-museum.jp/

Immersive Museumを体験!会場に到着

メインの部屋に入る前に現れるのが、大きいパネル。

SNSで見た綺麗な写真のようにはいきませんでしたが、これから入る空間へのわくわく感を搔き立てるパネルにテンションが上がります。

会場までの通路には、コンセプトが書かれたパネルが並んでいます。印象派を知らない方でも、アートに詳しくない方でも、ここを読んでおくことで後に観る映像への期待感が高まるはず。

パネルの先には、いよいよ真っ黒なカーテンが登場。

Immersive Museum 場内の様子

カーテンを開けると、想像の何倍もの広さの空間がひろがっていました。
本編映像は約30分、映像の間は5分程度あいていて、鑑賞者はこの時間で撮影をしていました。
基本的には楽しみ方は自由。一般的な美術館と異なり、寝っ転がりながらでも友達と話しながらでも作品を観られるというのが醍醐味です。

会場に置かれているクッションは争奪戦です。どこを撮っても映えるので、皆さん写真を撮りながら席をとりながらと、忙しそうでした。

映像がはじまると次々にさまざまな色彩が目の前に現れ、目まぐるしく変化します。最前列で視界一杯に観るのと、後方から俯瞰して全体を観るのとではまた印象が異なります。
場所を変えて複数回観てみても面白そうです。

“没入”を体感する約30分の映像

こちらの空間に映し出される映像は8つのシーンに分かれており、19世紀のフランスでイノベーションをもたらした作品たちを体感することができます。
今回の展示では、以下の印象派を代表する8人の画家の約70作品が鑑賞できます。
「印象・日の出」「睡蓮」(クロード・モネ)や「バレエの舞台稽古」(エドガー・ドガ)といった、誰もが一度は目にしたことがあるような作品の中へ没入することができるのです。

クロード・モネ
エドガー・ドガ
ピエール=オーギュスト・ルノワール
カミーユ・ピサロ
ベルト・モリゾ
アルフレッド・シスレー
ギュスターヴ・カイユボット
メアリー・カサット

「印象・日の出」からはじまる

序盤、空間一面に広がる煙をあげる蒸気船と美しい空。眺めるうちに、徐々に絵画のタッチが浮かび上がります。
このシーンでは、印象派のはじまりの作品「印象・日の出」に描かれたフランスのル・アーヴル港で、モネの追体験をしているような感覚を味わえます。

当時の印象派展の雰囲気を感じる

1874年から8回開催されたという、印象派展(「画家、彫刻家、版画家などによる共同出資会社の第1回展」)。

第1回の展示会場、ナダールのアトリエを彷彿とさせるような映像が映し出され、当時の印象派展にもぐりこんでいく感覚を味わえます。
一見ランダムに流れているようにもみえる映像の中にはストーリー性も感じられ、はじめの数分間で気分は約150年前へタイムスリップ。

印象派の技法。絵画の中へ…

突如視界が色とりどりの筆致で埋め尽くされ、徐々に引きの絵になっていくと明らかになるのが、自分たちがモネの「ラ・グルヌイエール」の中に入り込んでいたということ。
印象派の特徴となる筆触分割で描かれた絵の中に入り込んだような、制作過程に没入したような体験ができる「印象派の技法」のシーンです。

印象派の名画が押し寄せる

鑑賞者と映像の境目がどんどんわからなくなっていく

続いてピサロ、ドガらの作品が登場。名画たちが融合するという、これまた一般的な美術館では体感することのできないアートを感じられます。
Immersive Museumでは、難しいことは考えずとも自ら足を進めずとも、次々と作品が視界に入っていくというのがとても新鮮。それぞれのシーンについて想いを巡らすもよし、何も考えずにただ過ぎていく映像を眺めるのも良しと、各々の楽しみ方ができます。

モネの連作。時の流れを感じる

「積みわら」「ルーアン大聖堂」など、同じ風景ながら並べて観ることで時間経過を感じるモネの連作。一面に映し出された連作と時間経過を思わせるBGMとの融合で、鑑賞者も一体となって連作の絶妙な色彩の変化を体感できます。

終盤に空間一杯に映し出される「睡蓮」はまさに圧巻。筆者は個人的に「睡蓮」が部屋の壁を覆うオランジュリー美術館(パリ)に行ってみたいと思っていたのですが、そちらの疑似体験もできたような満足感。

映像が終わったら撮影タイム

映像が一通り終わると約5分のインターバルがあります。鑑賞者はここで続々と写真撮影を開始。映像が終わっても一斉に場外へ…ということはなく、何周も鑑賞している方が多いようでした。

合間をぬって何とか撮影に成功。どこでどのように撮るかも各々の自由ですし、もちろんスマホをもたずに鑑賞してもOK。
SNSを見てみると様々な角度からの写真で溢れているので、「うわ、こうやって撮れば良かった!」と鑑賞後にも更なる発見があります。

こそこそと動き出す絵画たち

空間の外にも面白い展示が。鑑賞者から絵画へのアプローチだけでなく、絵画からの反応があるという、ファンタジーのような世界を体感できます。

ルノワールの「猫と眠る少女」……をしばらく観ていると、寝ているはずの少女が起き出し、猫を撫でたりなにやら喋ったり…。そこに少女と猫が居るかのような、不思議な感覚に陥りました。

「Café&Giftエリア」には映えフードやお土産も!

「食べる印象派」として、作品をモチーフにしたメニューも販売されています。
モネの「印象・日の出」「睡蓮」「睡蓮の池と日本の橋」をイメージしたクリームソーダやゼリードリンク、かき氷は写真に撮らずにはいられない美しさ。
パレットがモチーフとなったクッキーや、オリジナルクラフトビールも可愛いです。

今回は「印象・日の出(いちご)」のクリームソーダと、「睡蓮の池と日本の橋(青りんご)」のゼリードリンクを頂きました。
モネの絵画の特徴である色と色の重なり合いが表現されていて、混ぜて飲んでしまうのがもったいない…。すっきりとした味わいで美味しかったです。

そんなモネの3作品を琥珀糖で現した「モネの宝物(1,100円)」など、プレゼントやお土産にもぴったりなグッズも販売されています。

Immersive Museumで自由にアートを楽しもう

ベビーカーの入場もOKとのことで、とにかく幅広い層の方が楽しめるImmersive Museum。印象派に興味がある方はもちろん、美術館は静かすぎて苦手…という方でも楽しめること間違いなし。
普段とは異なる角度からアートに触れることで、画家たちのことをもっと知りたい、自分もなにか描いてみたい、という気持ちにもさせられます。
今回は印象派の作品群でしたが、また別のジャンルの作品でも”没入”を体感してみたくなりました。

記事一覧へ戻る

投稿者プロフィール

Travel Work 編集部 - 浅野
Travel Work 編集部 - 浅野
週休4日を目指して日々奮闘中のトラベルワークの編集部員。
さまざまなメディアのディレクション業務を経て、最近は自社メディア成長に血を注いでいます。

人気の記事ランキング

ranking

top