新宿、渋谷、銀座…東京の中心街だったら、石を投げれば当たるほど作業スペースが林立しています。でもちょっと都心から外れると、一気に仕事ができる場所の候補は見つけにくくなるもの。そんな悩みを解消しつつ、ライターが実際に郊外を訪れて仕事場を探します。今回は国立駅にふらりと立ち寄り、仕事場を探してみました。
ふらふらと中央線に乗って国立駅で降りてみた
雲一つ無い晴れの日には、仕事が山積みでもつい自宅から「ここではないどこか」に出かけたくなるものです。そんなときは大体、近所のカフェや図書館、コワーキングスペースなどで作業に打ち込んでみることがよくあります。
とはいえ、いつも通う近所の施設ばかりでは飽き飽きしてしまい、自宅より作業に身が入らないこともしばしば。多くの人が行き交う都心部も気疲れして思い通りのパフォーマンスが出せなくなりがちです。
そこで筆者がたまにやるのが、ふらふらと電車や自転車で行ったことのない街を訪ね、そこで作業スペースを探索する活動です。今回はなんとなくJR中央線の下り方面に乗って、国立駅で降りてみました。
国立ってどんな街?
国立市は東京都のほぼ真ん中に位置する閑静なベッドタウンです。府中市・立川市・日野市・国分寺市と隣接しており、規模は8.15平方kmと都内でも小規模なエリアながら、豊かな自然と新旧さまざまな商業施設が人々の暮らしを支えています。JR中央線「国立駅」の他に南武線の「谷保駅」「矢川駅」とJRの駅が3つ存在しており、意外にも交通アクセスが良く訪れやすいのも嬉しいポイントです。
国立駅周辺には長い並木道や商店街などが広がっており、ちょっとした街歩きや散歩にうってつけのロケーションです。特段目立つ施設や遊び場があるわけではないのですが、確かな落ち着きを得られるでしょう。
静かながら賑わう路地は夜間もたくさんのお店が営業中。お昼から夜まで、マイペースに1日を過ごせるエリアです。
そんな国立駅周辺には、チェーン店のファミレスやカフェなどがいくつか点在しています。ただ、全国どこでも入店できるお店よりは、その街ならではの場所に行ってみたいところです。そこで今回は、国立駅周辺を歩きながら落ち着けそうなスペースを探しました。
国立エリアで仕事に使える「コワーキングcafe work tree」にイン!
駅近くの商店街などには目ぼしい喫茶店もいくつかあったのですが、仕事向きというよりは地域の人の憩いの場、といった雰囲気で、じっくり腰を据えて作業を進めるのは難しそうです。
しばらく駅周辺を散策した後に富士見通り沿いを歩いていると、コワーキングカフェの看板が目に入りました。
どうやら電源・Wi-Fi完備でコーヒー飲み放題と魅力的な条件が揃っているようです!クラシックな雰囲気のビルでひっそりと営業しているこちらに入店することにしました。
「コワーキングcafe work tree」施設データ
住所 | 東京都国立市中1-10-8 ノア国立2F |
アクセス | JR中央線「国立」駅南口 徒歩3分 |
営業時間 | 12:00-22:00 |
定休日 | 不定休(HPのスケジュールで確認可能) |
HP | https://worktree-kunitachi.com/ |
作業スペース | カウンター4席 モニター付きデスク1席 テーブル8席 |
利用料金 | 500円/時間 最大2000円 メニュー注文で最初の1時間無料 |
電源有無 | 全席電源完備 |
Wi-Fi有無 | 全席Wi-Fi利用可 |
雰囲気・環境 | カフェ調で落ち着きあふれる雰囲気 |
喫煙 | 不可 |
「コワーキングcafe work tree」は2019年10月にオープンしたワークプレイスです。「ノア国立ビル」という可愛らしいレンガ造りのビルの一角に位置しています。
ウッディなインテリアと暖色の照明が印象的なカフェスタイルのお店で、落ち着きあふれる静かな雰囲気が魅力的です。
料金プランは1時間500円の時間制で、コーヒーやお水は飲み放題となっています。フードやドリンクも提供されており、電子レンジやポットも利用できます。最大料金は2000円となっているため、つい作業に熱が入ってしまっても大きな出費にはなりません。
仕事や勉強はもちろんのこと、読書や創作活動などにもうってつけのロケーションと言えるでしょう。
「コワーキングcafe work tree」の魅力・作業してみた感想
入店して、まずは角のソファ席を選択しました。何人か他のお客さんはいるものの、皆自分の作業に集中しており全く気にならない静けさです。うっすらとピアノジャズが流れており、他の音はほとんどしませんでした。いかにも集中できそうな雰囲気…!
地味にうれしいポイントが、作業机とコーヒーテーブルが2つに分かれていることです。パソコンでの作業が多い分、普通の喫茶店だとコップの水滴が気になったり、思いのほか作業スペースが狭く感じられたりするため、「カフェ」と「ワーク」の棲み分けがされているレイアウトに細かな気遣いを感じました。
コーヒースペースはこちら。アイス用の製氷機のほか、ラテ用のパックやポット、電子レンジなども完備です。好みに合わせて色んなドリンクを無料で楽しむことができます。スペースの隣にはチョコレートのサービスも!
こちらの席で各作業を黙々と進めていると、気づけば4時間が経過してしまいました。周囲はすっかり夜です。仕事に没頭していたお陰で、積み上げていたタスクをしっかり消化できました。work treeさん様様です…!
時間制なのがちょっとネックかも、と感じたのですが、上限設定で出費を気にせず仕事に打ち込むことができ、また普通の飲食店で気になる長居のプレッシャーも全く無かったので結果的にはプラスでした。なんとなく立ち寄った国立でしたが、近所に欲しい集中できる作業スペースと出会えました。
退店時にオーナーの吉田さんへお話を伺ったところ、
「以前からカフェだと仕事に集中しきれないし、コワーキングはビジネス寄りの固い雰囲気な場所ばかりなことが疑問だった。両者の良いところを取り入れながら、落ち着きと集中を両立できる場を目指しています。」
とお店のコンセプトや魅力を説明していただけました。
「作業を片付けにいく」ことで知らない街と関わる楽しさ
今回は国立でカフェスタイルのワークスペースに出会うことができました。
上京して現在は杉並区に在住している筆者ですが、東京の郊外にはまだまだ知らない街ばかりです。きっかけが溜まった作業を片付けることだったとしても、普段立ち寄らない場所で新しい発見ができるのは刺激的で楽しいものです。
遠く離れた土地で仕事を進めるのがトラベルワーカーのイメージ像ですが、ちょっと地元から足を伸ばすだけでも立派な旅気分を味わえます。気分転換も兼ねて、あなたも知らない街に仕事をしに行ってみてはいかがですか?