Webライターを続けていると、ライティング以外の仕事を任されることがあります。例えば画像作成、ディレクション、サイト管理、マーケティング、etc……校正・校閲もそのひとつです。
校正・校閲の仕事を獲得するきっかけはさまざまですが、ある程度付き合いが長いクライアントから直接声をかけられる、クラウドソーシングや求人の募集に応募する、というケースが多いです。
今回は校正・校閲の仕事に興味がある人に向けて、仕事内容はどんなものなのか、必要なスキルは何かを解説します。
校正・校閲者の仕事内容
校正・校閲の仕事はおもに、下記の内容です。
●誤脱字チェック(校正)
●マニュアルチェック(校正)
●文章のねじれチェック(校正)
●文法の正誤をチェック(校正)
●エビデンスチェック(校閲)
校正と校閲は言葉も字面も似ていますが、違う作業・仕事です。具体的には校正がおもに文字の誤りをチェックするのに対し、校閲では事実確認を行います。しかし企業によっては校正の仕事の中に校閲が含まれていたり、その逆もあったりします。
いずれにしても世に出す原稿に誤りがないかを確認するという、文章に関わる業界にとってなくてはならない仕事です。
校正・校閲者に資格は不要
基本的に校正・校閲の仕事に資格は必要ないと考えられています。しかし校正の資格自体は存在しており、1964年に創設された「日本エディタースクール」が主催する試験によって「校正技能検定」を取得できます。
校正の仕事をする際に必須の資格というわけではありませんが、校正・校閲をはじめとする文章に関する仕事を探す際に比較的有利にはたらくといえるでしょう。
校正・校閲者に必要なスキル
資格は不要であっても、校正・校閲に関わるのであれば必要最低限持っておかなくてはならないスキルがあります。ここでは、校正・校閲者に求められる内容についてご紹介します。
正しい日本語能力
校正・校閲者には日本語に対する正しい理解力が求められます。ライターから校正・校閲者に転身した場合、ライター時代にある程度培っているであろうスキルです。
文章作りの下積みがない状態で校正・校閲に携わる場合、独学で勉強をするかスクールに通うなどして、文章作りにおける最低限の日本語ルールを学んでおくといいでしょう。
マニュアルを把握する&ライターに遵守してもらう工夫力
「ライターがマニュアルに沿った記事執筆をしているか」を確認することも、校正・校閲者の仕事です。
マニュアルのボリュームにもよりますが、すべてのライターが100%内容を把握しているとは限りません。とはいえ校正・校閲者もそれは同じことです。原稿チェックの際にマニュアルの見落としをしないよう、オリジナルでチェックリストを作ったりツールを活用したりする校正・校閲者も少なくありません。
マニュアルの徹底把握は校正・校閲者の条件です。しかし難しいと判断した場合は、記憶をする以外の方法も考え、マニュアルに沿った原稿に仕上げる工夫をしましょう。
ライターへの気遣いができる思いやり
「校正・校閲のチェックが厳しすぎる」「修正依頼の内容が抽象的すぎてわかりにくい」といった悩みを抱えるライターもいます。良い文章を作ってもらおうと思って校正・校閲をしたのに、その結果でライターのやる気を削いでしまっては、元も子もありませんよね。
校正・校閲の指摘は、どうしても冷たく映ってしまいやすいもの。不自然なほどよいしょをする必要はありませんが、ライターを必要以上に気落ちさせないような思いやりが大切です。
一次情報を追えるリサーチ力
校閲の仕事では、書かれている内容の事実確認を行います。ライターが参考サイトとして提出するサイトは、一次情報が載ったサイトばかりとは限りません。
その場合、そのサイトに書かれている情報の根拠まで調べなくてはならず、リサーチ力が問われます。とくにYMYL領域(健康やお金といった人生に関わる領域)は念入りに調べなくてはならないため、妥協せず情報の深追いをする根気強さが必要です。
必要なツールを使いこなす技術力
目視のみで校正をするのには骨が折れますし、コンディションによって見落としやミスが増えてしまっては仕事として務まらないでしょう。そこで校正を効率的に行うために、目的に合わせたツールの使い分けができると便利です。
たとえば、筆者の場合はマニュアルの見落としチェックや漢字の開く閉じるの判断は「MOJI-KA」を、表記揺れは「ATOK」を使用しています。誤脱字は、Googleドキュメントで確認をすることもあります。
文章サポートをしてくれるツールは校正作業の正確性を支えてくれるうえに、校正者の負担をなくしてくれます。賢く活用しましょう。
「MOJI-KA」の詳しい使い方などはこちらの記事をチェック!
校正・校閲はライタースキルも上がる仕事
校正・校閲の仕事は、自分自身のライティングスキル向上にも役立ちます。もし、クライアントから声がかかったり校正・校閲の募集を見つけたりしたら、積極的にチャレンジしてみてください。
ライターの立場では気づけなかったことや新しい発見に、出会えるはずです。
▼Webライターにおすすめの資格についてはこちらの「気になる資格がみつかるサイト・資格Hacks」の記事もチェック!