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AIが文章を執筆!ELYZA Pencilの使い方や評判とは?無料でどこまでできる?

仕事をする上で案外時間がかかってしまう文書作成。ビジネスメールや企画書、記事など文章を書く機会が多い方もいるでしょう。しかし、どうやって書こうか悩んでしまってなかなか筆が進まないという人も多いのではないでしょうか。

そんな中、文章作成に割く時間を大幅に削減してくれるAI「ELYZA Pencil(イライザ・ペンシル)」が登場しました。
今回は、文章執筆AI「ELYZA Pencil」の使い方や評判などについてご紹介します。文章を書くことに苦手意識を持っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ELYZA Pencilとは?

ELYZA Pencilとは、2022年3月に株式会社ELYZAがリリースした文章執筆AIです。キーワードを入力すると、約6秒で日本語の見出しや文章を自動作成してくれます。ELYZA Pencilを開発した株式会社ELYZAは、東京大学・松尾研究室発のAIスタートアップ。日本語の大規模言語AIに着目して企業との共同研究やサービスを展開し、デジタル技術を用いてホワイトカラーの業務効率化を推進しています。

大規模言語AIは膨大な言語データやテキストを大量に読み込み、人間のように巧みに言葉を操ることができる技術です。2018年10月にGoogleから大規模言語AI「BERT」が発表されて以降、世界中で研究が進んでおり、ここ3、4年で急激に成長しています。

そんな大規模言語AIを使って高精度な文章執筆を可能にしたのが、ELYZA Pencil。ELYZA Pencilと東大生3人を比べた文章生成検証では、「正確性」「キーワード含有率」については人間よりELYZA Pencilのほうが劣るものの、「流暢性」はほぼ同水準。「速度」は56分の1と圧倒的なスピード差をつける結果になりました。

ELYZA Pencilの評判は?

ELYZA Pencilは一般公開されてから11日間で11万人が利用し、デモサイトのPV数は45万となるほど大人気。Twitterでは「適当にキーワードを入力するだけでそれっぽい文章が作れる」「シナリオ作りにも使えそう」「面白い」と精度の高さに驚きの声が上がっています。

適当にキーワードを入力するとおもしろい文章が作成できるので、遊びとして使っている人も多いようです。SNS上にはクスッと笑える文章がたくさん投稿されていました。

ELYZA Pencilでできること

ELYZA Pencilはデモンストレーション用の小さなモデルを一般公開しており、「ニュース記事」「メール文」「職務経歴書」の3種類の文章を登録なしで作ることができます。

ニュース記事の作成

文章に入れたいキーワードを2個~8個入力して「AI執筆スタート」をクリックすると、ニュース記事を自動で執筆してくれます。
まずは、「寝坊」「遅刻」「言い訳」というサンプルキーワードを入力して、ニュース記事を作成してみました。

寝坊して遅刻したときの言い訳は?

寝坊して遅刻してしまったときの言い訳について、働く女性に聞いた。「寝坊しました」と素直に言うという意見が多く集まった。その他に「体調が悪かった」「準備ができていなかった」などの言い訳があがった。

…と、上記のように、たった数秒でタイトルと97文字の文章が出来上がりました。
試しに、記事を書いている途中の筆者の気持ちをニュースにしてもらうことに。

「やばい」「文章」「思いつかない」というキーワードがどのようなニュースになるのでしょうか。

完成したニュース記事は以下の通りです。

「やばい、文章が思いつかない」と思ったときに試したい4つの対処法

「やばい文章が思いつかない!」と思ったときに試したいことを紹介。文章を書き始める前に一度深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。頭の中をリセットするために、文章を書き始める前の5分間を瞑想する。

およそ100文字程度の文章を作ってくれるようです。95文字の中に「文章を書き始める前」という文が2つ入っていて少し不自然な気もしますが、なかなかのクオリティです。

メール文の作成

ホワイトカラーの場合、全業務のうち平均して就業時間の28%をメールに費やしているともいわれています。「1日8時間、休憩1時間」だとすると、約2時間はメールの確認と返信で奪われている計算になると考えると恐ろしいですよね。月曜日の午前中はメールの返信だけで終わってしまう、という人も多いのではないでしょうか。

(参考:Microsoft

そんなメール作成の時間を短縮できれば業務効率が大幅にアップするはず。
ELYZA Pencilを使ってメール文を作成してみます。使い方はニュース記事と同様キーワードを2~8個入力して、「AI執筆スタート」をクリック。キーワードの文字数は最大15文字以内です。

「黒ヤギ様・白ヤギ・手紙・読まずに食べてしまう」という、おもしろそうなサンプルキーワードがあったので試してみました。

このように、黒ヤギさんの謝罪の意思がしっかり伝わるメールができあがりました。
続いては、まじめなメールを作成してみます。「取材依頼」「1時間」「7月15日12:00~」「撮影」というキーワードで、メール文章を作ります。

名前や会社名、企画のタイトルなどは適当ですが、その部分だけ修正すれば使えそうなビジネスメールが完成しました。
ビジネスメールの作成に慣れていない方、いつもどう返信しようか悩んでしまうという方におすすめの機能です。

職務経歴書の作成

転職の際に必要になる職務経歴書も作成できます。筆者の経歴である「栄養士」「保育園」「介護老人保健施設」「療養食」「アレルギー」「食品会社」「研究開発」というキーワードを入力して、職務経歴書を作ってみました。

完成した文章は次の通りです。

大学卒業後、栄養士として保育園で3年、介護老人保健施設で3年、計5年勤務し、主にアレルギー時のための食事提供や減塩食、糖尿病食、療養食の開発・製造・品質管理業務に携わってきました。食品会社の研究開発部門に転職後、アレルギー物質を含む食品の経口摂取調査に従事し、2012年からプロジェクトリーダーとしてプロジェクト全体の進行を管理しています。

「療養食」のキーワードだけで減塩食、糖尿病食といった用語が出てくるのに驚きました。
仕事内容や勤務年数などが勝手に追加されていますが、間違った部分を手直しするだけでいいので文章を一から考える必要がありません。

ELYZA Pencilを使ってみた感想

「無料版はデモンストレーション用の小さなモデルです。精度面では不十分なケースもございます」との注意書きがあるように、たまに文章がチグハグになってしまったり、100文字程度と短い文章しか作成できなかったりといったデメリットもあります。
ですが、少し手直しするだけで実際に使える文章が出来上がるため、作業時間が大幅に短縮できると感じました。特にメール文の作成と職務経歴書の作成はかなり実用性が高そうな気がします。

さらに、ニュース記事の具体的な使い道はわかりませんが、文章に煮詰まったときやいい言い回しが見つからないときに役立ちそうです。ブログ記事の見出しやTwitterの文章を作成するのに使えるかもしれません。Twitterではさまざまなキーワードを使って、おもしろニュースを作成している方が多かったので、ネタとして楽しむのもよさそうです。

ELYZAが手掛けるサービス

株式会社ELYZAは、ELYZA Pencil以外にも大規模言語AIを使ったさまざまなサービスを提供しています。

ELYZA DIGEST

ELYZA DIGEST(イライザ ダイジェスト)は、2021年8月にリリースした長文要約AIです。公開後5日間で13万人が利用し、要約の実行数は14万5000回超え。ニュース記事やメディア情報、メールなどの文章をまとめることが可能です。
文章をコピペして「要約スタート」をクリックすると、わずか10秒で入力された文章が3行に要約されます。Twitterでは「ちゃんとニュアンスを読み取っている」「凄い精度だった」などの評判がありました。

ELYZA Pencil同様無料で利用できるデモサイトなので、原文とは異なった内容になってしまうこともありますが、「長い文章を読むのは大変だからサクッと内容だけ知りたい」というときにおすすめです。ELYZA DIGESTによる要約だけで文章全体を理解するのは難しいですが、興味のあることを扱っているかどうかの判断材料に使えます。

大規模言語AIイライザ

2022年6月23日にリリースされた「大規模言語AIイライザ」は、企業向けの日本語AIサービスです。ELYZA PencilやELYZA DIGESTは一般ユーザー向けのデモサービスでしたが、多くの企業から大規模言語AIに関する相談を受け、企業向けのサービスを発表しました。
損保ジャパンやマイナビなどの大手企業がこのサービスを利用しており、活用事例も続々と登場しています。

大規模言語AIイライザの第1弾としては、文章を要約するクラウドサービス「ELYZA DocDIGEST」をリリース。上記のELYZA DIGESTよりも最大入力文字数が4.8倍に増加し、要約を行う所要時間が8.3倍短縮と大きくレベルアップしました。今後は文章要約サービスに続き、クラウドサービスとしてさまざまなAIを展開する予定です。

ELYZA Pencilを使ってみよう

多くの人が頭を抱える「文章を書く」という作業。文章作成に割く時間を大幅に削減してくれるAI「ELYZA Pencil」を使うことで、苦手な業務が少し楽になるかもしれません。一般公開されているのはあくまでデモンストレーション用の小さなモデルなので、完璧な文章が作れるわけではありませんが、ビジネスメールや職務経歴書、SNSなどを書く際の参考に利用するには非常に便利です。「文章を書くのが苦手でいつも時間がかかってしまう」という方は、ぜひ一度使ってみてください。