「旅をしながら働く」「場所に縛られず働く」「旅するように働く」などさまざまな形があるトラベルワーク。
当メディアでは、そのようにさまざまな形で仕事に向き合う人の働き方にフィーチャーしていきます。
今回は、フリーライターとして活動するマキ・ユウキさんのルーティンや仕事へのやりがい、 ”好きなこと”を”仕事”にすることのリアルをお話ししていただきました。
プロフィール
マキ・ユウキ
フリーライター。ガジェット、エンタメを中心として幅広いジャンルに対応。近年ではYouTube動画のシナリオ作成や編集、BGMの作曲なども行っています。
活動への想い
単純に求められた文章を作成するのではなく、より面白いものを、役に立つものをという想いで仕事をしています。同じ媒体の記事でも「このライターの話は面白い」と思って貰えればそれが一番の喜びです。
ライターとして活動する上でのスタンスは、テーマやジャンルを限定することなく仕事をお受けすること。これまで触れたことがないジャンルのお仕事をさせていただくことで自分を成長させる、武器を増やしていくという意識を持ち、常に楽しみながら活動しています。
活動をはじめたきっかけ
大学を卒業し、社会に出てから常に「自分に合った仕事とは何なんだろう」と考え続けてきました。子供の頃は小説家を目指していたこともあり、ただ漠然と文章を書くことを仕事にできないかという想いは抱いていたものの、一方でそんなことができるわけないと諦めていました。
そんな中、急速にネットの普及が進んだことでWebライターへの需要が高まっていることを知り、クラウドソーシングで応募して副業として活動を開始。最初は当然単価も低く、収入は小遣い程度でしたが、実際に「仕事」として文章を書く中でその楽しさにのめり込んでいきました。
それから2年ほどした頃になるといただける案件の数も多くなり、これまでの本業との両立が難しくなったため、悩んだ末にライターを本業にしました。記事作成代行会社勤務を経て、現在はフリーランスです。
本業・前職
新卒で損害保険の調査会社に就職し、主に自動車事故の現場調査などを行っていました。激務でしたが、毎日いろんな場所に出向くという仕事のスタイルは楽しかったです。
その後、何か商売をしたいと考えるようになり、コンビニを経営する小さな会社に入社。そこで店を実際に仕切らせていただくことになり、同時に副業としてライターをはじめました。それから数年は二足のわらじで働き、最終的にライターを本業にしています。
仕事・生活・休暇のバランスのとりかた
作業をする日のルーティン
フリーランスなので基本的にはほとんど時間に縛られることはありません。いろんな働き方を試しながら、現在は主に朝型の生活を送っています。
普段は朝5時に起床し、すぐに仕事をはじめます。通勤の必要がなくすぐに仕事をはじめられるのがフリーランスの魅力です。
仕事の量にもよりますが10時頃まで仕事をして、日課の散歩へ。どうしても家に籠もりがちで運動不足になるので、最低30分は外を歩くようにしています。
昼食を挟んで、午後は15時頃まで仕事をしたらその後は好きなことをします。10代の頃から続けているギターを弾くことが多いです。
そして、18時頃からはゆっくりと夕食を。お酒が好きなので晩酌を楽しみながら時間をかけて食事をします。その後は映画やYouTubeなどを観ることが多く、就寝時間は22〜23時頃です。睡眠時間は6〜7時間ほどとるように心がけています。
ライターを本業にしたばかりの頃は特に「休日」を定めておらず、外出などプライベートで予定がないかぎりは毎日仕事をしていました。ですが今は、土日にしっかりと休んでリフレッシュするようにしたことで、より平日の仕事に集中できるようになりました。
休みの日の過ごし方
休日は出かけることが多いです。通勤の必要がなく、基本的に家で仕事をしている反動なのか、とにかく出かけたくなります。妻とドライブを楽しんだり、ショッピングや映画などを楽しんだりしています。
ライターの仕事をはじめたばかりの頃は、オンオフの切り替えがなかなかできないのが悩みでした。仕事をしていないと不安になり、休日もちょっと時間が空くとパソコンに向かってしまうことが多かったです。
最近では不安を解消するために、休日の前には手持ちの仕事の内容と締め切りを整理して「休んでも十分に対応できる」ことを再確認するようにしています。これだけでも気持ちが楽になり、気持ちをオフに切り替えることができます。
自宅で休日を過ごす場合は、飼っている猫と一緒に過ごすことが多いです。まだ子猫なのでいたずらばかりしていますが、日々の癒しになっています。
新型コロナウイルスの関係で外出ができない時期は、ほとんど映画や海外ドラマを観て過ごしていました。
作業に欠かせない道具や場所、ツールへのこだわり
仕事に欠かせないアイテムといえばパソコンです。逆にパソコン1台とネット環境さえあれば、どこでも仕事ができます。
現在、メインで使っているのは2020年製のMacBookAirで、高校生の頃からMacを愛用し続けているので仕事でもプライベートでも欠かせない存在となっています。
ライターという職業柄、キーボードがすぐに傷んでしまうので、2〜3年に一度は買い換えることになります。現在使っているものも、一部キーの反応が悪いので買い換え時かもしれません。
パソコン本体だけでも仕事はできますが、より仕事を効率的にするアイテムとしては、サブモニターも必須です。現在は23インチの4Kディスプレイを使用しています。
その他、入力機器はマウスではなくトラックボール派です。親指でボールを転がすタイプが好みで、現在はロジクールのものを使用しています。
仕事環境を作るためのアイテムとしては、Bluetoothスピーカーも大切なアイテムです。音楽やラジオを聞きながら仕事をすることも多いので、パソコンと同じくらい使用頻度は高くなります。
愛用しているのはYAMAHAの「THR10Ⅱ」。本来はギターアンプなのですがBluetoothスピーカーとしての性能も高く、音質も抜群なので音楽鑑賞にもぴったりです。
「好き」を「仕事」にすることについて
「好き」と「仕事」が結びつくのは、とても幸せなことだと思います。本来、好きなこととはお金を払ってでもやりたいことですが、それが仕事になれば好きなことをして逆にお金を貰えるわけですから。
僕は文章を書くのが「好き」なので、ライターをはじめています。なので現在、多くのお仕事をいただいて、これだけで生活できている状況は幸せなことだと感じています。
好きなことを仕事にするとプライベートとの境がなくなってしまう…という悩みを抱えている方も多いかもしれませんが、僕も最初は不安がありました。
ですが、音楽などの他の趣味に力を入れることで、プライベートの時間もしっかり確保できています。あわよくば他の趣味も仕事に繋げることができれば…なんて野心も出てきて、仕事も趣味もより充実するようになりました。
とはいえ、最初の頃はそれほど仕事が多かったわけではなく、苦労することもありました。フリーランスに切り替えてしばらく経った頃、大きな仕事の契約終了が重なって収入が激減した時は生活も困窮してしまいました。
加えて、新型コロナウイルスが蔓延しはじめた頃には旅行や各種イベントなどがストップしたことで、いくつかのクライアントから継続して受けていた仕事が白紙になりました。
このように困った状況になる度に、「新しい分野の仕事を開拓する”」ことで乗り越える必要があります。これが結果として仕事の幅を広げることに繋がったと、ポジティブに考えるようにしています。
自身のライターとしての強みや価値
ライターとしての「経験の多さ」は強みになると感じています。これまで専業ライターとして10年、30代をほぼ丸々全部費やしてきました。ライティングという仕事は基本的にアウトプットですが、同時にさまざまな情報を集め、インプットするという作業も必須です。
これらのインプットは確実に自分の財産になります。こうして仕事を続けることで積み重ね、得てきたものが現在の自分の価値に繋がっていると考えています。
「企業」と仕事をすることへの想い
ライターとしての仕事の受け方にはさまざまなパターンがあり、僕の場合、直接企業と取引することはあまりありませんが、直接お話をいただいた際には特にやりがいを感じます。代理店やライティング会社などではなく、僕個人を選んでいただく場合は、より求められているものの幅が広いのではないかと思います。
例えば、こちらから企画を提案したり、企画そのものの立ち上げから行わなければならなかったり、ということもあり苦労するケースも多いです。一方で、大変な仕事であればその分だけやりがいもあります。クライアントに満足いただければ人としての繋がりもできて他の仕事に繋がることもあるので、大切にしたいと考えています。
今後の活動について
今後もフリーランスのライターとして仕事を継続したいと考えています。それと同時に、YouTubeなど別のメディアでの情報発信や表現活動なども積極的に行う予定です。
加えて、ライターとしての経験を他ジャンルの仕事で活かす方法などについても模索したいです。現在はあまり経験がありませんが、小説やシナリオといったジャンルにも興味があるので、スキルアップしながらチャレンジを続けていきます。