会社に所属し正社員として働いている人からすると「フリーランスになるためにはどうしたらいいのか」「何が必要なのか」といった部分が全くわからないかもしれません。
今回は「フリーランスのWebライターとして活動したいけれどどうしたらいいの?」と感じている方向けに、なり方や生計の立て方についてご紹介します。
実際に1年以上フリーライターとして活動してみた実体験も交えて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもフリーランスとは?
まずフリーランスとは何なのかについて把握していきましょう。「フリーランス」という言葉に法的な定義はありませんが、一般的には「会社や組織などに所属せず、自身の知識やスキルを提供して対価を得る人」という意味を持ちます。
フリーのWebライターって何?
Webライターは、基本的にWebメディアで記事を書く仕事です。クライアントから仕事を貰う場合や、自身でWebサイト・ブログを立ち上げて記事を書くケースもあります。特にフリーであれば出社の必要が無い場合が多く、自宅やカフェなど好きな場所で働けるため、自分の生活に合った働き方ができるのが魅力でしょう。
執筆する内容は幅広く、恋愛や生活に関する砕けた雰囲気のコラム系から法律や金融関連など知識が必要なものなどがあります。また、内容やメディアによってはインタビューをする必要があるものもあります。
フリーランスのWebライターになるには?~用意すべきもの編~
ここでは、フリーランスのWebライターとして活動を始めるときに必要になるものや準備しておくと良いことをご紹介します。なかには実際に準備をしていなくて困ったものもあるので、なるべく余裕をもって行動してみてください。
貯金をしておく
フリーランスとして独立すると、仕事が軌道に乗るまでは収入が不安定になる可能性があります。金銭的な余裕がなくなると精神的に追い詰められてしまいまうため、注意が必要です。
実際、筆者は貯金がほぼない状態で独立したので、独立したての頃はかなり焦っていました。低単価の案件を受けすぎて時間が確保できなくなったり、食費を削らなくてはならず集中力が上がらなかったり。
どれくらい稼げるのかわからない状態だからこそ、最低でも半年間~1年間は生活できるくらいの貯金があるといいでしょう。
クレジットカードやローンなど審査があるものに申請する
フリーランス=不安定な収入というイメージがあるからか、クレジットカードやローンなどの審査に通りにくくなる可能性もあります。
フリーランスは経費の計算が必要になるため、プライベートで使うクレジットカードとは別のカードを作っておくことがおすすめです。計算が楽になるだけでなく、収入と出費を把握するのにも役立つでしょう。
独立してからカードの申し込みをしましたが、クレジット機能付きのカードを作れなかった時がありました。
将来的にどうなりたいのかプランを立てておく
「フリーランスとして独立したあとにどうしたいのか、何をしたいのか」など将来的なプランを立てておくことをおすすめします。基本的に一緒に働く相手は自分だけになるので、モチベーションを保ちにくい傾向にあります。
そのため、「いつまでにいくら稼ぐ」「○○という職業をしたいからまずはココから始める」「こんな記事を書けるようになりたい」など目標を決めておきましょう。
筆者はフリーライターとして独立しましたが、現在はディレクターや編集としての仕事もしています。将来的に何をしたいのか、どれくらい稼ぎたいのかを決めておくと、その後の方針やモチベーションの上げ方も見えてきますよ。
フリーランスのWebライターになるには?~手続き編~
ここでは、手続き的な面でしなくてはならないことについてご紹介します。手続きを適当にしてしまうと税金などで損をしてしまう可能性もあるため、十分に確認しておきましょう。
開業届・青色申告承認申請書を提出する
開業届は、税務署に「個人事情主になること」を知らせる通知です。開業してから1か月以内に提出する、と決められていますが、期限を過ぎても罰則などはありません。
加えて、青色申告承認申請書を提出しましょう。これは節税効果が高い青色申告を使って、確定申告ができるようになる書類です。納税すべき税金を少なくするためにも、提出することをおすすめします。
これらの書類は国税庁のホームページからダウンロードできるほか、「freee」というソフトでも作成できます。
ちなみに筆者は国税庁のホームページからダウンロードし、印刷して記載したものを郵送しました。手間はかかりますが、確実性が高いと思ったのでこの方法にしました。
年金や保険の切り替えを行う
正社員の場合は会社の健康保険や厚生年金に加入しているはずですが、独立した後は国民年金と国民保険を利用しなくてはなりません。
これらは居住地の市役所などで手続きができるため、平日の空いている時間に行ってみましょう。支払いが必要なものなので、早めに切り替えすることをおすすめします。
経理業務をするソフトやシートを使う
フリーランスになると、毎月の事業の収入を管理する必要があります。会社に所属しているときは経理の人が管理していたものを自分1人でやることになるため、少々手間がかかると考えて良いでしょう。
そこで、自分が使いやすいソフトを見つけたりシートを作成したりするのがおすすめ。筆者はソフトが使いにくいと感じたので、エクセルやスプレッドシートでシートを作成し、月末に入力しています。入力は手間だと感じますが、収入を見直すことができてモチベーションが上がるきっかけにもなりますよ。
リアルな道のり|独立してから今に至るまでを振り返ってみた
フリーランスとして独立したら、まずは「生活できるくらい稼ぐこと」が目標になりがち。 筆者は貯金もなく独立したため、生活するための資金を稼ぐことに必死でした。
ここでは、稼げるようになるためにしたことについて筆者なりの方法をご紹介します。
独立してから1~3か月目
この時期はひたすら仕事を取っていました。仕事を取るためには、「過去に執筆した作品」が必要になります。クライアントに自分の実力やどんな文章を書くのかを知ってもらうためです。
筆者は実績や経験、スキルがない状態でスタートしたので、まずは作品を作らなくてはなりませんでした。そこで、未経験でも採用してくれるクライアントを探して執筆しまくった、という流れです。
使ったアプリは、「クラウドワークス」。当時は相場なども知らなかったので、1文字あたり0.1円などの案件ばかりを取っていました。
独立してから3~6か月目
自分の執筆作品ができ、Webライターとしての相場がわかってきた時期で、このあたりから生活最低限のお金を安定して稼げるようになりました。
さらに収入を追求したかったので、直接契約ができるクライアントも探すことが可能な「Wantedly」というアプリでも案件を探すようになりました。ここで直に企業様とやり取りができるため、手数料を引かれたくない人におすすめです。
独立してから6~9か月目
案件の入れ替わりはあったもののクライアントや案件が安定し、収入としても正社員で働いていた時期よりも少し多いくらいになりました。
独立してから9~12か月目
独立してから9か月目くらいから、Webライターの仕事だけでなくディレクターや編集業務も任せてもらえるようになりました。仕事の幅が広がったことで、収入もさらにアップ。
しかし、業務にあたっている時間は初期のころより少し少なくなったくらいでほとんど変わっていません。時給としては上がりましたが、休みはほとんどないのが現状です。
独立してから1年後
1年経って、Webライターと編集の2本立ての生活が安定しました。休みの量などは変わっていませんが、案件を頂けるクライアントが安定してきたことで気持ちにも余裕が出ています。
今後は編集としてもキャリアアップしていきたいと考えていますし、さらにいい記事を書けるWebライターになりたいと思っています。
稼げるようになるためにやったこと
ここからは筆者がスキルなし状態から稼げるようになるためにやったことについて解説していきます。
自分のスキルや知識を磨く努力を怠らない
この1年間くらいの間で、モチベーションが下がったり努力を怠ったりすることも正直ありました。しかし稼ぎ続けるフリーランスになるためには、自分のスキルや知識を磨き続ける必要があると痛感しています。
加えて、ネットの社会は移り変わりが早いので、流れに追いつくためにも常に情報や自分の状態を最新にしなくてはなりません。
「できない」と決めつけない
やったことない仕事を振ってもらった時に「できない」と決めつけるのはNG。もしかしたら自分に向いている仕事かもしれないし、スキルアップにつながるかもしれません。
初めて執筆する内容に不安を感じつつも実際に執筆してみると、意外と「向いているかも」と感じることも少なくありませんでした。さらに、ディレクション業務や編集業務をやったことがなく不安を感じていましたが、やってみたら楽しいと感じられました。
自己管理をしっかりとする
執筆業だけでなく、経理や事務作業、営業、健康管理などやることはたくさんあります。なにか1つでも欠けてしまうと、仕事が回らないどころかクライアントからの信用を失いかねません。
完璧を求めすぎるのはよくありませんが、信頼関係を築くために必要なことはしっかりとこなしましょう。
周囲の支えのおかげで仕事ができている
フリーになってから、良いことだけでなく辛いこともたくさんありました。しかし、ここまで続けられたのにはクライアントの方々や支えてくれた周りの人がいたからだと思っています。
1人で仕事をしていたとしても、「いろいろな人の支えのおかげで仕事ができている」という気持ちが大事。常に感謝を忘れず、必要とされるフリーランスになりましょう。