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ワーケーションを行っている自治体と誘致事例|メリットと課題についても

リモートワークの導入、業務委託契約への切り替えなど、新型コロナウイルス感染対策によりオフィス外で働く人も増えました。そんななか、ワーケーションという働き方が注目されています。

今回はワーケーションの概要や成功事例をご紹介し、企業側・利用者側からのメリットや今後の課題、ワーケーション誘致に興味のある自治体側が注意すべき点など幅広い視点からご紹介します。

ワーケーションとは?メリットや課題も

ワーケーションとはどのようなもので、どのような理由で注目を浴びているのでしょうか。ここでは、ワーケーションの意味と由来をご紹介します。加えてワーケーションのメリットと、現状抱えている問題についてもご紹介します。

ワーケーションの意味と由来

ワーケーションとは「work(仕事)」と「vacation(旅行)」を組み合わせた造語で、その名の通り旅先で観光とテレワークを両立させながら過ごす取り組みです。アメリカで誕生し、日本でもIT企業を中心に徐々に広まってきています。
なお、ワーケーションはあくまで旅行が中心で、滞在時間の多くを仕事で潰すとワーケーションとして成り立たなくなってしまいます。あくまでも旅行が主体ということです。

ワーケーションが注目される理由

ワーケーションが注目されていることには、新型コロナウイルス感染症対策によるリモートワークの普及が大きく関係しています。2020年以降は感染症対策のためリモートワークが推し進められており、それに伴ってワーケーションの需要も急増しました。

同時に、地方で暮らすことも検討しはじめた都会のサラリーマンや、休暇を取得させるのにちょうど良いと考えた企業、新しい観光客誘致方法として導入を検討する自治体も増加傾向にあります。
ワーケーションの発展により現在落ち込んでいる観光業の復活が見込めるため政府もその経済効果に期待しているとのことです。

ワーケーションのメリット

仕事をしながら観光もできるワーケーションへの参加は、精神的なゆとりとメリハリある生活に繋がります。
精神的なゆとりが業務の効率化や従業員の自社に対する満足度向上にもつながる可能性があるため、企業としても悪い話ではないでしょう。

加えて、社員がなかなか休暇を取得してくれない企業にとっても恩恵の多い取り組みです。ワーケーションにおいては、自治体は観光での収入のみならず参加者のUターンやIターンも期待できるため、地方創生の取り組みとしても有用だといえるでしょう。

ワーケーションが抱える課題

前向きに捉えられることの多いワーケーションですが、課題が多くまだまだ発展途上でもあります。たとえば、観光の合間に仕事をするつもりでワーケーションに参加したにもかかわらず、仕事のみで終わってしまう参加者も少なくありません。

この問題については社員が業務に割く時間を企業側が制限するなど、ワーケーションに関するルールを制定する必要があります。加えて不便なく仕事が行える環境が必要になるため、自治体側は施設の建て替えなども検討しなくてはなりません。

ワーケーション誘致自治体と成功事例

コストがかかる分メリットも大きいワーケーションですが、これまで誘致に成功してきた自治体は、どのような対策をとってきたのでしょうか。まずはワーケーションを誘致している自治体・地域を紹介し、成功事例について詳しく説明します。

ワーケーションを誘致する都道府県及び市町村

現在、ワーケーションを誘致している都道府県は、北海道、群馬県、長野県、三重県、奈良県、和歌山県、鳥取県、岡山県、広島県、長崎県、鹿児島県、沖縄県です。
都道府県に限らず、市町村単位でワーケーションを誘致している自治体もあります。

事例1.和歌山県

ワーケーション誘致の成功事例としてよく挙げられるのは和歌山県です。和歌山県はワーケーションの先進地としてセルフブランディングをはかっており、Wi-Fiの整備数を増やすなどリモートワークに適した環境づくりを始めています。

特に観光地の白浜町は力を入れており、IT企業のサテライトオフィスが複数見られます。今後さらなる発展を目指しPR活動に力を入れたり、相談窓口の設置や体験会を開催をしたりといった相談窓口の設置や体験会の開催などの施策を行っています。

事例2.長野県

リゾート地として人気が高く、首都圏からのアクセスも良い長野県は、ワーケーション適地として県外にアピールしています。特に注目されているのは、商店街の空き店舗など遊休施設を整備しコワーキングスペースとして活用している点です。

民間のワーケーション誘致にも熱心に取り組み、勉強会を開催するなど先を見据えた取り組みもしています。加えて、豊かな自然を活かしたアクティビティも魅力のひとつとして発信しています。

事例3.北海道

国内の人気観光地、北海道は規模の大きなワーケーション誘致を行っています。道内に点在する北海道は道内に点在するサテライトオフィスやテレワーク拠点を専用サイトでまとめており、長期滞在と広域の周遊を見込んだマーケティングを行っています。

観光に特化したパターンと業務に関連する体験ができる2通りの受け入れ態勢を用意したり、持続的な関係を形成するため、自治体に対する愛着信を育むよう取り組んだりと利用者に寄り添った政策も見どころです。特に北見市と函館市はワーケーション誘致に力を入れています。

事例4.広島県

広島県は福山市にてワーケーションを誘致しており、企業の誘致やワーケーション利用者の移住などを狙った政策が特徴です。現地を楽しんでもらうだけでなく、首都圏の企業と地元企業が影響を与え合うような取り組みもあり、ワーケーション誘致を通して地元のビジネスを盛り上げることにもつながりそうです。

事例5.沖縄県

北海道と並んで人気の観光地である沖縄県では、全日空(ANA)との協業でワーケーションを実施しています。事業者ごとのワーケーションへの意識も高く、ワーケーションプランを用意している宿泊施設も少なくありません。

連泊すると食事やアクティビティが無料になる宿泊施設もあり、家族連れや友達とのワーケーションにも適しています。沖縄県の場合、自治体というよりは施設ごとの取り組みが目立ちます。

ワーケーションを検討する自治体は何をすべきか

地元でワーケーションの誘致をしてみたいと思う自治体も多いでしょう。ここでは、ワーケーションを誘致するために自治体が何をすればよいのかをご紹介します。

ワーケーションの目的を定める

ワーケーション誘致というと一見難しそうに感じますが、自治体のワーケーション誘致において、最も重要なことは「企画の段階でワーケーション誘致の目的を定めること」です。
たとえば長野県のように観光をしてもらうのか、北海道や広島県のように首都圏からの参加者とのつながりを重視するのかなど、ワーケーションを通して自治体側が何を得たいのかを明確にしなければなりません。

ターゲットを定めてプランを練る

何を目的にするかを定めたら、次はターゲットをどの層に絞るかを考えます。現在ワーケーションを活用している層は、パソコンとWi-Fiがあれば業務をこなせるクリエイティブ系の方が多く、加えて女性の参加も多い状態だといえます。狙ったターゲットに訴求できそうなプランを練り、集客につなげることが重要です。

地方創生とワークライフバランスを同時に叶えるワーケーション

感染症対策が進む中、ワーケーションの注目度は日に日に上昇しています。自治体がワーケーションを誘致することにより地方創生に取り組める上、ワーカーたちもワークライフバランスへの意識を高めることが期待できます。

ワーケーションはまったく新しい取り組みのため、誘致する側は戸惑うことがあるかもしれません。利用者側とも協力し合い、ワーケーションを発展させ改善していけば、アフターコロナ時代にはビフォアコロナ時代に想定していた以上の生活を手に入れることができるでしょう。