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世界農業遺産の「能登の里山里海」でワーケーション。 経験者が語る実態と地域の取り組み

石川県には全国から、そして世界からのファンが多い観光スポットが2つあります。それは加賀百万石の城下町「金沢」と、食と景観が楽しめる「能登」です。今回はそのうちの一つ、「能登」でのワーケーションについてご紹介します。

能登ではどのようなワーケーションの取り組みがされているのか、実態はどのようなものなのか。能登で過ごしてきた経験者だからわかる情報をお届けします。トラベルワーカーも必見です。

ワーケーションにおすすめな能登の魅力

まずは豊かな自然に囲まれ、食材の宝庫と呼ばれている能登とはどういうところなのかをご紹介します。

日本で初めて世界農業遺産に認定された場所

2011年6月に新潟県佐渡市の「トキと共生する佐渡の里山」とともに、日本で初めて世界農業遺産に認定されたのが能登の里山里海。低山と丘陵地が多い里山と、砂浜海岸、岩礁海岸、リアス式海岸など変化に富んだ海岸線のある里海。土地利用や一次産業、食文化、祭礼、工芸などにおいて、昔から里山から里海までが密接につながり、人々が暮らしてきた場所です。

「人・食・景観・祭」見所が満載

能登にはお裾分け文化のある助け合いを大切にする人の優しさ、農林漁業によりもたらされる自然の恵みと美しい景観、昔から守り伝えられてきた祭礼や伝統技術があります。特に祭礼は、毎年夏になるとどこかの集落で必ず行われているほど盛んです。
「盆や正月には実家には戻らないけど、祭りには必ず戻る」という人が多いほど、地元の人のみならず故郷を離れた人々にも大切にされており、あばれ祭や石崎奉燈祭など、全国に熱狂的なファンがいる祭りもあります。

おすすめのスポット・食べ物

日本海に突き出た半島にある能登では、日本海の荒波が押し寄せる外浦と波穏やかな内浦が対照的な表情を見せてくれます。能登で有名なスポットといえば輪島の朝市や七尾の和倉温泉街、車で走れる国内唯一の砂浜の千里浜なぎさドライブウェイなどで、旅の番組でも人気でよく取り上げられています。

他にギネス記録にもなった世界一長いベンチやサスペンス系のテレビドラマによく出てくるヤセの断崖などもおすすめのスポット。食材の宝庫としても知られていて、牡蠣やふぐ、寒ブリ、あんこう、スルメイカなど新鮮な魚介類が有名ですが、山菜類や能登牛なども人気です。とにかく最高の食材が揃っているので、何を食べても美味しいといわれています。

能登への行き方・移動方法

能登までの行き方はいくつかありますので、出発場所や目的によって選んでみてください。

首都圏からは飛行機が早い

石川県にはふたつ空港がありますが、能登に行くなら「のと里山空港」の利用がおすすめです。のと里山空港は能登エリアの中でも奥能登と呼ばれるエリアにあり、東京の羽田空港とを結ぶ往復2便のみの空港です。

首都圏からはわずか60分で能登に到着できます。スピード重視の方や、奥能登エリアに行く人におすすめです。事前予約制ですが「ふるさとタクシー」という乗り合いタクシーを頼んでおけば、低料金で目的地に到着します。

新幹線・電車移動が定番

関東方面からは新幹線で、関西・東海方面からは特急電車の利用が定番。ただし、途中の金沢駅で乗り換える時もあります。東京や大阪から金沢まではどちらもおおよそ2時間半で着き、そこから電車で2時間程乗れば和倉温泉へと到着します。

関西方面からの方や和倉温泉に行く方は、電車で直接行けるので便利。車窓からの風景を楽しみながら、能登までの道を楽しんでください。

おすすめは自家用車orレンタカー

能登へは穴水まで電車が走っていますが、奥能登と呼ばれる穴水から先は電車が走っていません。そこで代わりになるのがバスですが、本数が限られているため自家用車やレンタカーを活用することをおすすめします。飛行機や電車で行く場合は、目的地によって事前にレンタカーを頼んでおくといいでしょう。

地域によっては、宿泊先でレンタカーの料金を割引してくれるサービスもあるためお得です。
もし自由に能登を回りたいという場合は、自宅から自家用車でチャレンジしてみてください。のと里山海道という奥能登へ行く道では、メロディーロードも楽しめます。バイクツーリングも盛んなので、荷物が少なければバイクで行くのもいいかもしれません。中には船で訪れる強者もいます。

能登でワーケーションを満喫

ここでは、能登でワーケーションを楽しむためのスポットや取り組み等をご紹介します。

能登のワーケーションを薦める理由

能登には、人々が日々生活する中に、山や海が存在しています。能登では「朝に海でひと泳ぎした後、仕事をして午後から山を散歩する」なんてことも可能です。自然の景色に癒されながら仕事をすれば、きっと仕事もはかどることでしょう。

おすすめワーケーションスポット

能登にはコワーキングスペースがいくつかあります。

NAGISA DINING(ホテル海望内)

和倉温泉から送迎バスで5分、海が見える個室会場で小規模の会議も行えます。※法人利用のみ。
※Wi-Fiによるインターネット完備
※プロジェクター・スクリーン・ホワイトボード等のレンタル可※法人利用のみ。

料金:無料(利用は宿泊者限定※要事前予約、法人利用の場合は有料です。)
利用可能時間:10:00~16:00

御祓川大学メインキャンパス「banco」

七尾駅から徒歩6分の、銀行だった建物を改修したコワーキングスペースです。常駐するコーディネーターや他の利用者とのやりとりで、地域づくりや仕事の新しいアイデアや発見があるかも。

料金:550円(学生登録した方は無料)
利用可能時間:平日 10:00~18:00(土日祝祭日は休業)

「バンライフ・ステーション」

穴水駅から車で10分の場所に「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」、車中泊スポット「バンライフ・ステーション」があります。
「バンライフ・ステーション」と「シェアハウス&オフィス」利用者はコワーキングスペースを無料で使用できます。

営業時間 :7:00~20:00(単発利用者の場合)(要相談で20:00以降の使用も検討)
利用方法 :要予約(メールでの連絡)
利用料金 : 1,200円(一律料金)
利活用可能な設備 : Wi-Fi、パソコンモニター2台(HDMI)、延長コード、電子レンジ、シンク(料理不可)、冷蔵庫、トイレなど

LivingAnywhere Commons能登珠洲(木ノ浦ビレッジ)

日本全国17か所の拠点があるLivingAnywhere Commonsのメンバーになれば、好きな時に好きな場所で暮らせます。能登では珠洲市の木ノ浦ビレッジが拠点となっていて、施設からは国定公園特別地域に指定された美しい海岸が一望できます。

チェックイン受付時間:15:00〜
問い合わせ受付時:間12:00〜18:00
定休日なし
料金:お試し1回利用6,600円、5回27,500円、定額27,500円/月

その他、Wi-Fiのある飲食店やホテルでの仕事や、モバイルWi-Fiで自分の気に入ったスポットでの仕事というのも能登でのワーケーションの楽しみ方です。ただし、電波の悪い所もあるので注意が必要です。

主な地域の取り組み

能登エリアの一つ、七尾市では能登七尾サスティナブルツーリズム推進協議会が立ち上げられています。2020年に発足した持続可能な観光振興を目指す「能登七尾サスティナブルツーリズム推進協議会」では市内で楽しめる体験型観光プログラムを作成するほか、「ワーケーション」の受け入れ態勢を強化するために、ANAグループとコラボしてモニタリングを実施しています。

さらに能登町では役場主導でワーケーションを推進しており、ホテルの一角でワーケーションを導入するために、体験プログラムの作成等を行っています。まだ取り組みは一部の地域に限られていますが、今後官民一体で、能登のいたるところでワーケーションが進んでいくことが期待されます。